大型浚渫兼油回収船「白山」の整備
最先端のテクノロジーで日本海を守る
平成9年1月に日本海沿岸域に甚大な被害を与えた「ナホトカ号重油流出事故」を契機に大型浚渫兼油回収船「白山」の建造が計画され、平成14年8月に完成しました。
白山は、港内の土砂を掘って航路を維持する「浚渫」と、事故などで海に流れた大量の油を回収する「油回収」という2つの作業を行う船舶です。
当事務所は、白山の設計から建造まで担当しており、引き続き白山の高度化など技術的なサポートを行っていきます。
主要目
船体部
全長 | 93.9m |
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幅 | 17.0m |
深さ | 7.5m |
総トン数 | 4,185t |
航行速力 | 13.1ノット |
航行区域 | 近海区域(国際航海) |
機関部
主機関 | 3,200ps×2台 |
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補機関 | 530ps×2台 |
主発電機 | 2,200kW×2台 |
補発電機 | 350kW×2台 |
推進機 | 360度旋回式可変ピッチ型 |
浚渫部
浚渫方式 | サイドドラグ式 |
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浚渫ポンプ | 3,300m3/h×2台 |
泥倉扉 | コニカルバルプ式 |
浚渫深度 | -7.5~-18m |
泥倉容量 | 1,380m3 |
油回収装置部
油回収器 ・舷側設置式 ・投げ込み式 | 500m3/h×2基 250m3/h×1基 |
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油水吸引ポンプ | 250m3/h×4台 |
回収油水漕容量 | 1,530m3 |
3船体制での油回収エリア
「白山」は日本海を24時間以内、北海道周辺海域でも2日以内に回収作業が行えます。
さらに、「清龍丸」や「海翔丸」とともに、日本周辺での油流出事故への体制強化が図られています。
360度回転するプロペラ
プロペラ装置全体が回転し、船の向きを直接変えることができるため、この船には舵が付いていません。
狭い水域でもその場で回頭できるなど、自在な操船が可能です。
油回収作業
大量の油が流出し、ひとたび海岸に漂着すると海洋資源や環境等に甚大な被害をもたらします。白山は事故発生現場に急行し、油が拡散する前に回収作業を行います。
舷側設置式(げんそくせっちしき)油回収装置
油流出初期段階の流動性のある油を、一気に回収する主力の油回収装置です。
波がある状態でも回収が可能です。
投げ込み式油回収装置
油が薄く広がったり、拡散した時に使用する油回収装置です。
粘度の高い油の回収に適しています。
浚渫作業(しゅんせつ)
白山は船の安全な航行のため、24時間体制で新潟西港の航路(船の道)を浚渫※をしています。(※海底の土砂を取り除くこと)
ドラグサクション式浚渫
海底に掃除機をかけるように、両舷の管を海底に降ろし、吸い込み口を引きずりながら、ポンプで土砂を吸い上げます。
浚渫リサイクルシステム
積み込まれた土砂の上澄み水を、吸い込み口に戻すことにより、海面の濁り防止や土砂積載量を向上させることができます。
アクティブ式消音器
主機関の排気音には、人間の耳に不快な低周波騒音が含まれる場合があります。
そこで、この排気音を打ち消す音をスピーカーから出して、低周波を消音しています。